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【レビュー】『ARGOAT』他人よりも先に知識を集め「エデン」を目指すカードゲーム

2021/09/21
【レビュー】『ARGOAT』他人よりも先に知識を集め「エデン」を目指すカードゲーム

今回紹介するボードゲームは『ARGOAT』です。 

どことなく神秘的でキレイなイラストに目を引かれますが、そのイメージ通り幻想的な世界を探索していくゲームとなっています。

ARGOATとは

誰よりも早く世界中に散らばった8つの知識を集め、闇に隠された「エデン」に到達したプレイヤーが勝者となるカードゲームです。  
世界の形はゲームの進行と共に明らかになる為、柔軟な対応で効率良く知識を集める事が重要です。  
​ エメラルドを持っていれば、知恵を持つウサギ「ブリーナ」の力を借りる事で、他者よりも早く目的の場所に到達できるでしょう。  
場合によっては対立するプレイヤーとも交渉して、知識を得たり、逆に売る事も出来ます。  
他者との出会いは一期一会。  
交渉が出来る機会を無駄にするべきではありません。  
また、「エデン」の場所に関する情報も並行して集める必要があります。  
この情報も知識と同じく、交渉の材料として利用する事が出来ます。  
もし他のプレイヤーに後れを取っても、道具を使用する事で挽回のチャンスがあります。  
果たして最後に「エデン」に到達するのは誰なのか、そしてそこで待ち受けている運命とは…。  
Dominaでは初となる、駒を使用した本格的なアドベンチャーゲーム。  
素晴らしい旅を是非楽しみにお待ち下さい。  
DominaGames

DominaGamesさんから発売された、パッケージイラストが目を引くボードゲーム。

自分のコマを動かすことで未開の地を探索し、誰よりも先に「エデン」に到達することが目的のゲームです。

ARGOATのルール

セットアップ

ゲーム開始時の配置はこんな感じになります。

青・黃・黒のコマが各プレイヤーのコマ、白いウサギのコマは「ブリーナ」と呼ばれるお助けキャラ。

場に置かれているカードは、すごろくで言うマスに相当します。各プレイヤーは自分のターンで1マス分移動し、移動先のカードに書かれた効果を使用する、というのが基本的なゲームの流れになります。

最初は移動できる場所がスタート地点も含め5つしかありませんが、このスタート地点に戻ってくることで新たな場所が追加されていきます。  

画像のようにカードを繋げていき、行ける場所が増えていきます。  

目的地「エデン」

探索を勧めていくと探索できる場所が増えていきますが、その場所の一つ「暗い森」という場所(カード)が重要。  

このカードが4枚あるのですが、これを裏返すと……  

4枚のうち1枚だけエデン』へと通じています。  

しかし闇雲に暗い森に目掛けて進むだけではエデンに到達することは出来ません。  

先に8つの知識を得る必要があります。

知識を全て獲得することで初めて、暗い森からエデンへの道が開かれるという感じでしょうか。

要約すると、知識を8つ集めてからエデンに向かってねってことです。

「ブリーナ」と「エメラルド」

このゲームでは基本的には1マスずつしか移動できません。  

ですが、先ほど紹介したマップ上に存在するウサギ「ブリーナ」の力を借りることで、移動距離を伸ばすことができます。

ブリーナの力を借りるには「エメラルド」が必要。  

エメラルドは『ARGOAT』における通貨で、ゲーム開始時に各プレイヤーは一つずつ持っています。

このエメラルドを同じマスにいるブリーナに一つ渡すことで、さらに1マス移動できます。つまり1ターンに2マス移動できるようになるということですね。  

重要な点としてはブリーナの力を借りて移動する場合はブリーナも共に移動するということ。同じマスにいるブリーナを先に使われて使えなくなってしまった、ということも起こります。

この辺りも戦略の一つですね。  

便利なアイテムカード

知識以外に獲得できるものとしては、アイテムカードがあります。  

アイテムカードは自分の手番にいつでも使用可能。基本的には移動に関係するカードが多いですかね。  

ブリーナの居るマスへワープするカードや、任意の知識を得られるカードなど強力なカードも多く、取りに行く価値は大きいです。  

交渉

そして最後に、このゲームの一つの特徴として交渉があります。

交渉できる内容としては以下の4つ。

  •  知識の共有
  •  暗い森の裏面(エデンか深淵か)の情報
  •  アイテムの受け渡し
  •  エメラルドの受け渡し

交渉例としては、

エメラルド1個あげるから、アイテムちょうだい!

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プレイヤーA

1番の知識共有してあげるから、2番の知識共有して!

Profile picture

プレイヤーB

といった感じ。うまく交渉を活用し、行動ターンをできるだけ少なくしていくのが良いでしょう。  

ARGOAT:オススメポイント

ルールが簡単!

やることは「1マス動いてそのマスに書かれた効果を適用する」だけ、目的も「知識を8つ集めてエデンを探す」というだけなので、ルールとしては簡単な方だと思います。

あまりボードゲームに慣れていない方と遊んでも問題ないでしょう。

ルールは簡単でも、考える要素は多くて遊びがいがあるというのも良い点ですね!

相手を妨害する要素がほとんど無い

例えば「指定したプレイヤーの知識を減らす」といったような攻撃要素がこのゲームにはありません。現状1位の人をみんなで攻撃して落とすとか、そういったことが発生しないので、その手のシチュエーションが苦手な方でも楽しめると思います。

そういった攻撃がないことから、1位の人を出し抜くことも簡単ではありません。そこは腕の見せどころですね!

交渉が楽しい!

先程「1位の人を出し抜くことは簡単ではない」と言ったのですが、それを簡単にする手段がこの『交渉』

交渉次第では、1位以外の人が結託して1位を出し抜くことも可能です。

数少ない逆転要素でもあるため、どのように交渉をするのか、交渉を成立させるために何をするのかを考えるのも楽しいですね。

イラストが綺麗!

なんといってもイラストが綺麗なので、ちょっと手にとって見たくなりますよね。(DominaGamesさんのゲームはどれもイラストが素敵…!)

女の子も、いわゆる萌えアニメ系のイラストとはちょっと違ったテイストで書かれているため、そういったイラストに抵抗のある方でも問題なく遊べるんじゃないかなと思います。

ARGOAT:イマイチなポイント

盛り上がりには欠ける

どちらかといえば思考するタイプのゲームで、頻繁に交渉が発生したりするわけではありません。そのため、ワイワイ盛り上がるゲームではないということは頭に入れておきましょう。

考えるのが楽しいタイプの人にオススメな感じですね。

ややアイテムが強い

アイテムはランダム入手なので運も絡んではきますが、基本的には「ちょっと強すぎるなー」と感じます。

プレイヤー全員がそれを把握していれば良いのですが、そうでないと結構な差になるため注意が必要です。

ARGOAT:まとめ

ゲームとしては比較的簡単なルールでプレイ時間もあまり長くならないため、軽めに遊べそうです。

交渉することができるので、他人との関わりが発生するゲームではありますが、ワイワイ盛り上がるタイプのゲームではなく、じっくり思考する方に向いていそうです。

思考することが好きな方なら、初心者でも楽しめるゲームでしょう。中級者向けゲームへのステップアップとしてもオススメできるゲームです!


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ふーと

2012年からボードゲームを始めたボードゲーマー。 パーティーゲームから戦略的なゲームまで幅広く遊んでいますが、特にボードやコマを使うタイプのボドゲが好きです。 ボドゲのコマ(ミニチュア)のペイントもゆるりとやってます。


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