【レビュー】『ハイソサエティ』シンプルに競りを楽しむカードゲーム
今回紹介するボードゲームは『ハイソサエティ』です。
数ある『競り』ゲームの中でもいたってシンプル。競りゲーの楽しい部分をそのまま味わえる作品となっています。
ハイソサエティとは
数多くの傑作を生み出し続けているゲームデザイナー、ライナー・クニツィアの初期の代表作の一つです。
見た目はシンプルですが、ドイツゲームの魅力を凝縮したような作品です。
プレイヤーは上流階級の資産家になって、自らの名声を高めるべく、オークションで様々な贅沢品を購入します。
より価値のある贅沢品ほど数値が高く、これがゲーム終了時の得点となります。
最も多く得点したプレイヤーが勝者になりますが、勝者が誰かを決める前に、全員の終了時の残金をチェックします。
残金の最も少ないプレイヤー、つまり一番散財し過ぎたプレイヤーは、ここで失格となってしまいます!
どれだけ点を取っていてもゲームに勝利することはできないのです。贅沢品はたくさん買いたい、でもお金を使い過ぎてはいけない、というジレンマが悩ましくも楽しいゲームです。
ニューゲームズオーダー
プレイヤーは上流階級(ハイソサエティ)となり、様々なものを競り落としていくゲーム。
昔のゲームで、今買えるものはリニューアル版となります(ルールは同じでデザインが違うようです)
上流階級ということで、一番所持金の少ないプレイヤーは上流階級としてみなされず最下位となってしまいます。 このシステムを意識しつつ、価値の高いものを購入していきましょう。
ハイソサエティ:内容物
マネーカード:11 × 5 = 55枚
その名の通り、お金。各プレイヤーの手札となり、このカードを使って競りを行っていきます。
カードとしては11枚ですが、それぞれ額が異なっているのがミソ。金額を細かく上乗せしようとすると、その分手札の消費量が多くなってしまいます。
ステータスタイル:10枚
贅沢品。マネーカードを使ってこの贅沢品を競り落としていきます。ビーチだったりゴルフ場だったりと、まさに上流階級の買い物って感じです。
タイルの上部には1から10までの数値が描かれており、これが『価値』を表しています。
ちなみに、ステータスタイルはカードではなく厚みのあるタイルとなっています。タイルになっているだけで、なんとなく高級感を感じられたり『競り落とした喜び』みたいなのが増す気がして良いですね。
アウォードタイル:3枚
ステータスタイル同様、競り落とす対象のタイル。
このタイルを持っていると、自分の持っているすべてのステータスタイルの価値が2倍になります。重複するので、2枚あれば4倍にも!
トラブルタイル:3枚
こちらも競り対象のタイルですが、「競り落とす」というよりは「お金を使ってトラブルを回避する」イメージ。このタイルに対して出した金額が一番少ないプレイヤーがこのトラブルタイルを手にしてしまいます。
効果としては、左から『持っているステータスタイルを1枚捨てる』『価値−5』『持っている全てステータスタイルの価値が半分になる』となります。
ハイソサエティ:ゲームの説明
ゲームの流れ
各プレイヤーにマネーカード(お金)を配り、各種タイルを裏向きして混ぜ一つの山札を作ります。
その後、親プレイヤーを決めたらゲームスタート。以下の手順に従います。
- 親プレイヤーは山札の1番上を表にする。
- めくった親プレイヤーは次のうちどちらかを選択する
- マネーカードを好きなだけ場に出し、入札する
- パスをする
- 左隣のプレイヤーも同様に、入札orパスをする。
- 3を繰り返していき、プレイヤー一人を残して他の人が全員パスをしたら残ったプレイヤーが入札したマネーカードを支払いタイルを手に入れる。
- 他のプレイヤーは、自分が場に出したマネーカードを手札に戻す
- 今の親プレイヤーの左隣のプレイヤーを親プレイヤーとして、1に戻る。
これを、赤色のタイルが3枚出るまで繰り返し、3枚目の赤いタイルが出た時点でゲーム終了となります。
ゲーム終了時に、手持ちのタイルの価値を合計して順位を決定します。その際、全プレイヤーの中で所持金額が一番少ないプレイヤーは、ステータスカードをどれだけ持っていたとしても最下位となってしまいます。
ハイソサエティ:オススメポイント
競りゲームの基本が詰まっている!
基本的には競りをするだけのゲームで、他の要素はありません。そのため『競りゲーの楽しさ』を存分に味わえます!
今場に出ているタイルを買うほうがいいのかな?
プレイヤーA
買うつもりはないけど値段を釣り上げてみよう!
プレイヤーB
相手の残金は少なそうだから、今なら安く買えそう!
プレイヤーC
というような、競りゲーの面白い部分を余すことなく楽しめます。
貧乏人が最下位になるシステムが秀逸!
『所持金が一番少ないプレイヤーは最下位になる』というシステムが、競りを楽しむためのスパイスとしていい感じに働いています。
よくある競りゲーでは、お金をできるだけ使い切って買い集めるのが効率的だったりするのが一般的。しかし、ハイソサエティでは所持金を相手の所持金よりギリギリ多いくらい残すのが効率的です。
チキンレース的な要素が競りをさらに楽しくしてくれます。
毎回違う相場観を楽しめる
ハイソサエティの特徴として『ゲームが終わるタイミングが毎回違う』という点があります。(ゲームの終了条件が「赤タイル3枚が場に出たとき」のため)
そのため、「価値3のステータスタイルはこれくらいのお金で買えればいい」といった相場観が存在しないのがリプレイ性を高めています。
『経験を積んでいるプレイヤーは相場観がなんとなくわかるから有利』ということはなく、初めての方でも同じ土俵で対戦できるのが個人的にはとても魅力に思いました。
ハイソサエティ:イマイチなポイント
早ければすぐゲームが終わってしまう
『ゲームが終わるタイミングが毎回違う』という良い点の裏返しですが、まれにゲームがすぐ終わってしまうことも。
めったにないとは思いますが、ちょっと萎えちゃう展開になると思うので一応注意が必要かもしれません。
まとめ
こんな人にオススメ!
- 競りゲーが欲しい
- 初心者・上級者ともに楽しめるゲームが欲しい
- 繰り返し遊べるゲームがいい
特に「競りゲームを初めてプレイする」という方には、競りゲーの最初の一歩としてぜひ手にとって見てほしいです!